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GBCの発想

五輪開催が決まり、景気回復の言葉がメディアで踊るなか、私の出会った経営者の多くは、危機感をぬぐえないままでいます。日本企業について、6重苦、7重苦という言葉がよく使われますが、震災、日中・日韓関係の悪化、原発問題など、依然として私たちは試練のただ中にあるからです。

この状況を打開するために、多くの企業が海外に活路を見出そうとしています。「グローバル人材の確保・育成」が盛んにいわれ、異文化研修、言語研修が実施されているのはそのためです。しかしそれで、必要な人材を育成することができるのでしょうか。答えは「ノー」です。異文化や言語の知識は必要ですが、十分ではありません。

異文化環境のなかで多様なメンバーをまとめあげ、ビジネスを成長させる。その担い手である日本人マネジャーに必要なのは、リーダーシップであり、マネジメント力です。ところが日本企業は、今も昔も、その強化・育成を不得手としてきました。長いこと組織内の多様性(ダイバシティ)が低く、価値観を共有できる集団であったため、リーダーシップやマネジメント力がなくとも、あうんの呼吸と以心伝心でなんとかなってきたからです。

しかし今、状況は一変しています。海外でのビジネス現場はもとより、国内でも組織内の多様性が高まっています。海外で失敗する日本人マネジャーの多くは、異文化理解や言語だけに問題があるのではありません。彼ら自身のリーダーシップやマネジメントの未熟さが失敗の原因です。海外で失敗したマネジャーは、多様性の高くなりつつある国内の状況に対応できる人材でしょうか? この事実を正面から受けとめない限り、見当違いのグローバル研修を続けることになります。

グローバル化の進展は、リーダーシップやマネジメントの育成が不得手という日本企業の弱点を顕在化させました。実際、日本企業は技術の宝庫でありながら、それを「商売」にする人材の不足に直面しています。そのままではグローバル競争のなかで企業は消耗し、安価に技術を手に入れようとしている新興国企業の、格好の買収先となってしまいます。

よくも悪くも、彼らは「商売」を考えることが非常に得意です。「これが当たる」と思ったことは、ものすごいスピードで実行します。これを私は、私自身のアジアでのビジネス経験を通じてしばしば感じました。そのエネルギーは、現在の日本企業には残念ながらありません。これらアジアのライバルが虎視眈々と狙いつつも、高く評価している日本の技術力。それを核にした日本企業の再飛躍を、私はリーダーシップとマネジメントの育成を通じて支援したいと願っています。

日本企業は本社を海外に移して、グローバルマネジメント理論で先行する欧米企業に倣え、という考え方もあります。しかし、私はそれには反対です。彼らの方法は彼らの歴史を通じて培われたものであり、その流儀の中では日本企業に勝ち目はありません。日本には日本なりの、グローバル化のあり方を確立する必要があります。

自社のグローバル化を考えるとき、要となるのは、自社ならではのリーダーシップとマネジメントの育成です。またそれこそが、グローバル競争を勝ち抜く基盤(Global Basis)となります。ぜひ私どもとともに、Global Basisを見出していただければと思います。


グローバルベイシスコンサルティング合同会社 代表社員 川野正裕

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